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執筆者の写真Arisa Mitsui

白髪一雄Kazuo Shiraga : a retrospective


(一部展示の内容がわかる画像が含まれます)


奇しくも降り立った場所は初台。

あの後、なんらかのクッションを経て

また行くのだろうと思っていたのに。


今なお、私を苦しめるあれを連想せねばならない

場所に戻ってきた。















目的は白髪一雄展。


いつどこでどんな風に私が白髪氏を知ったのか

わからないけれど知っており

ああ、観れるのだと単純に高揚した。






美術的な学を得れる場所にいたことがない私にとって

正直、白髪氏の作品はハードルが高い。


しかし観たい、観なくては、という気持ちがあったので

今回の機会は大変嬉しい。

































そう、私にはハードルの高い作品達である。


でも何故それでも私の欲が追いかけてくるのか。


それは白髪氏は基礎と基本を経て

ここにたどり着いていたからだ。


もし基礎と基本がない人物がこのような絵を描いたら

まったくもって不可解になったのだと思う。


なぜなら

私は学もなく愚かなのでこんな発想にたどり着くのだけど

足や指をつかって描く、でもそこに規則性はない

と、くれば誰しも思いつくことでしょう?

誰しもやることでしょう?


でも基礎や基本のない作品は排泄物と同じ。


何かの記事で白髪氏の作品はマーラーと通じているといった内容なやつを

みたのだけど

マーラーを好きな人はなぜか男性、及び男性的な人が多いそうで。

その記事も脳裏におきつつ

”あまねなく”鑑賞を楽しめた。


あまねなく。
















素晴らしい展示をみてもまだ

苦痛が抜けきらないとはどういうことか。


私の醜悪さはいつもそこにある。

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