来年の個展にむけて構想が
ぬるり、と始まっている。
他の人が個展を決める時は
どうやるのかわからないけれども
私の場合
「題名」は最初から決まっていて
「題名」に肉づけをしていく。
ある程度、できそうだと思わないと
「題名」になることはない。
次回の個展の題名は
「人体」
(個展名がこれとは限らない)
あれを、これを
否
それを、と考える中で
だんだんと形成されていくわけで
今回、ここにきて気づく。
それは
刺繍がうんぬんのまえに
私が一番最初に作った
「芸術作品」がある。
それが娘の臍だ。
医学的にどうかとは調べたことがないので
知らない。
でも私は産後、娘の臍に力を入れた。
へその緒をとったあとの臍は
とても未熟で
だからお風呂にいれたあと
丁寧に丁寧に
美しい臍になるよう
めんぼうで形を整えながらケアを
し続けた。
娘はじき15歳になる。
彼女の臍は形といい
深さといい
とくに今が一番
美しい。
私がつくった作品の中で
唯一完成していて
絶対的”美”である
娘の臍。
誰にも何も言わせない。
言えるわけがない。
なぜなら
現在進行形の「美」。
誰にも真似できない
比較対象すら無意味。
比較するのは愚問。
娘の臍は完璧。
個展でなにかしらこの臍を
表現したいと
「型をとらせてくれ」といったら
思春期は笑って
「きもい」
と、言う。
まぁ、当たり前だ。
でも型は思春期の機嫌がいいとき
とらせてくれそうなので
その時を狙っている。